無意識の解明 2 ー 西口一希
私たちの日常にも、たくさんの無意識の作用があります。
・買い物に行くと、予定にないものを買ってしまう(調査すれば、事前の買い物リスト通りに買い物をする確立は50%以下です。単純に”衝動買い”といいますが、その衝動は、店頭での刺激に対する無意識の反応です)
・自転車とぶつかりそうになったので、思わす胸の前で手を交差させて体を守った(これは脊髄反射ではなく、視覚刺激による、脳の反射です。無意識の反応が、意識による行動より速く現れます。)
・飲んだ後、無性にラーメンが食べたい(アルコールと糖のバランスを脳が判断して反応してます。意識では太るから駄目だとわかっていても、無意識に体に反応して、意識が介入する以前に、食欲が出ているので、止まりません)
・泥酔していたのに家にたどり着いてた(ビジネスマンの基本ですが?、共感あると思います)
・結婚前に思っていた理想のパートナーと、実際に結婚したパートナーは、、、、(?)
ビジネスの文脈で示唆される事を考えると、ビジネスを行う私たちは、お客様(一般の消費者)に比べ、はるかに”意識的”に考え、悩み、意思決定し、行動しています。
そこでの”意識的”作業は、お客様の行動や感情を支配している”無意識”と共感している必要があります。これは、お客様の行動を”意識的”に分析したことではなく、また、お客様が”意識的”におっしゃったことをそのまま理解するのではなく、その背景に広がっている”無意識”の中身に共感(憑依に近い?)するということです。
ですから、お客様に”共感”できない仕事は、どうしても、”意識的(左脳的・論理的)”になるのです。これまでの私のマーケティングの失敗のほとんどがここに理由があったと感じています。
例えば、45歳の私が、70歳の女性向けの商品開発は、無理です。努力はしますし、たまたま上手くいくこともあると思いますが、出発点は”無理”だと認識して仕事に取り組むことが重要なのではないかと思います。
西口一希